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この労働対資本の疑問について考えるために もう少し参考となる資料を見ていきましょう. これまで何度も言ってきましたが, 何かを生産するためには, これらの両方が少しは必要です. または,両方がたくさん必要です. それは労働力と 資本です. これらが必要です. すると質問は, 何かを出力として生産する時, 全部の生産品をあわせてできた出力があって, その収入がありますが それからいくらを労働へと払い, いくらを資本へと払うかをどう決めたらいいのかという疑 問です. そうですね.これを考える1つの方法は, どちらがより影響力,力があるか? でしょう. 金ぴか時代に戻ってみると, 金ぴか時代というのはまさしく産業革命のピークでした. その時,力のほとんどを持っていたのは, 資本のオーナーでした. 以前にも言ったように,当時成長していた工業は, 鉄道や,工場や,石油などでした. ですから資本がここでの全ての影響力を持っていまし た. これに関わっていたほとんどの労働力は ほとんどスキルがありませんでした. つまり,資本のオーナーからみると, 労働力とはコモディティ, 使い捨てのできる日用品でした. ですから,収入あるいは出力は 資本へとどんどん流れることができました. そしてピケティは可能性として, 「ヘイ,私達は第2の金ぴか時代に向かっているかもしれ ない. 資本のリターンが成長よりも大きく, 富がどんどん集中していくからだ」と指摘しています. しかしここでは, 考えるための参考資料を1つ示しましょう. できれば他の資料も探して, あなた自身の結論を導き出して下さい. では今私達が住んでいる世界を考えてみましょう. 私はここでシリコン・バレーを例として考えます. なぜなら,シリコン・バレーは, 多分一番21世紀の経済,工業が どのようなものかを示す所だと思うからです. では,金ぴか時代と,シリコン・バレー, つまり,Google, Facebook, Apple のような 人達の故郷との比較をしてみましょう. シリコン・バレーというのは,資本が重要なのでしょうか, それとも労働が重要ですか? シリコン・バレーの産業は, 技術を創造することです. たとえばソフトウェアを創造することです. 特にソフトウェアを作るには,資本はほとんどいりません. ソフトウェアを作るには, 何十億ドルもする製造工場も 広大な土地もいりません. あなたの寝室でも,押入れでもソフトウェアは書けます. 私は実は押入れで始めました. つまりシリコン・バレーでは,労働がほとんどです. さて,産業革命の金ぴか時代では 個々の労働者はあまり重要ではありませんでした. その時代には,誰かが工場で流れ作業や, 繰り返しの作業をしています. 一方,シリコン・バレーの産業とは, 高いスキルを持った労働者が重要です. 青で書いておきます. 高い,高いスキルを持った労働者. シリコン・バレーの場合には確実に, 高度なスキルを持った労働者がいるかいないかが, その組織,会社,個人にとって 資本よりもずっと強い差となります. 実際,シリコン・バレーであなたがよく見るのは たくさんの資本の動きです. つまり資本は買収のためのコモディティーと考えられてい ます. しばしばたとえば5人位のチームが 最近2〜3ヶ月で何かを組み上げて, それを 1000 万ドルとか 5000万ドルとかの価値で購入 する そういうためのコモディティーとして資本が動きます. Facebook や WhatsApp のような組織が, 高度なスキルを持つ労働者の出力から, 数10億ドルの価値を得ることがありました. 資本,..ある程度の資本は必要です. オフィスは必要ですし,サーバーも必要です. しかしそれは金ぴか時代とは違っています. 価値のある部分のほとんどは コモディティーとは考えられていません. オフィスはコモディティーです. サーバーもコモディティーです. これらは簡単に代えられます. しかし高度なスキルを持った労働者は コモディティーではありません. このようなテーマを考える時には, 自分自身に次のような質問をしてみて下さい. 「この場合はあてはまるのか?」 「資本は…R はいつもG よりも大きいか?」 「資本は増大するのか? 収入はより資本へと流れるのか?」 「それとも収入は 高度なスキルを持つ労働者へと流れるのか?」 もうあなたの頭の隅にあるかもしれませんが, 他の疑問の一つは, 「シリコン・バレーはソフトウェアだけじゃないよ. ハードウェアでもあるよ.」というものでしょう. シリコン・バレーで一番成功している会社の 1つはアップルコンピュータです. アップルはソフトウェアだけでなく, iPhone,iPad,アップルのコンピュータなどハードウェア も作っています. その産業は何にあてはまりますか? それは資本集中型でしょうか? そうですね.どのように,iPhone や iPad が 開発されているのかを考えてみましょう. それはカリフォルニアのクーパティーノにあるアップルで設 計されます. だから箱にこの絵が描かれるわけです. それから,デザインをいくつもの会社に送ります. これらはそのアップルのサプライヤ(供給者)のいくつかで す. そしてこれらの会社は信じられないほどの資本集中型で す. しかしアップルの視点からすれば, これらは,全てではありませんが,コモディティです. いくつかは特別な材料をつくるなど製品の差別化をする ためですが, しかしこれらの多くの会社は, コモディティの生産業者と見られています. つまりアップルは, 「私達にちゃんとした値段で売らないのなら, もし部品の値段をごまかしたりするなら, 同じものを適正価格で売っている他の会社から 買うよ.」と言えるのです. そして,これらの会社は部品を製品に組み上げて, アップルに送り返します. そしてアップルがそれを箱に入れて売ります. このここにある供給の流れ,サプライチェイン,で 何がいったい価値のあるものでしょう. まずは明らかにマーケットに出すデザインです. もしこれが信じられないようでしたら, iPhone で生み出される収入のどれだけが アップルに行くのか, どれだけがここにある供給側の会社に行くのか 調べてみて下さい.きっと驚きますよ. これについて考える1つの方法ですが, これらの会社というのはある意味, 金ぴか時代の,巨大な資本集約型の 生産工場に近いものです. 一方,こちらの会社であっても,R & D (研究・技術開発) は 金ぴか時代でもそうでしたが,とても重要な要素です. そして,R&D には労働者が重要です. 特に高いスキルや知識を持つ労働者です. 資本は確実になくてはいけませんが, しかし,本当の価値はどこで生まれているかを見ると, それは設計やマーケティングにおいて 高度なスキルを持った労働者からです. そこにはクリエイティブな面があります. もしあなたが信じられれば,... これは自分で考えて判断して下さい. これだけでは不平等を心配しないで良いとは言えませ ん. もしこれでも,「ちょっと見て,ここにはもっと収入がある, 多分,それは資本には流れず 高度なスキルを持った労働者に行くだろう.」と, こうは言えないかもしれません. 全部の労働者がこうと考えると 高度なスキルを持った労働者達はこのほんの一部です. そして,ここでも不平等があるでしょう. それは金ぴか時代のように,資本の持ち主たちが 取ることはないでしょう. しかし,それは今度は高度なスキルの持ち主に流れま す. そして,それが不平等の原動力になるかもしれません. しかし,ここはピケティが収束の力と 呼ぶものが入るところです. 彼は少し資本の蓄積の力に重きを置いていて, この力には多少疑問を持っているようです. しかし,もし私達がここに参加する人達をもっと増やすこ とができれば, 高度なスキルを持った労働者達が増えれば, これが平等へと収束する力となるかもしれません. バランスするかもしれません. そしてある種のネオ金ぴか時代へと行くことは 防げるかもしれません.