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r が g よりも大きいが,不平等ではない場合

ビデオのトランスクリプト

トマ・ピケティの本のコアとなる考えの1つは, もし資本からのリターンrが 経済成長gよりも大きければ, それが不平等を導くかもしれないということです. それは不平等の駆動力になるかもしれません. そして不平等は,マーケット資本主義経済では 自然に起きる副産物です. 経済成長では何らかの不平等は起こります. 誰でも会社を作れるようにすれば, ラッキーな人達もいれば, そうでもない人達もできます. たくさん働く人達もいれば, そうでない人達もいる. 資本を上手く割り当てることができる人達もいれば, そうでない人達もいます. そういうことが皆ここにあります. しかし,極端な場合にはこれは悪いことになるでしょう. 特に,民主主義に悪いかもしれません. ある意味,あまりに富と権力が集中してしまうと, 最悪の場合,これ自体が自分自身を 駆動することになり, 実はそれによって,経済が停滞しかねません. たとえば十分な消費者がいなくなったり, 人々から購買力が減ったり,可処分所得が減れば, 経済が停滞します. しかし,ここで私が本当に焦点を当てたいことは, ここにある因果関係が実際にあるかとか, これをどれだけ心配すべきかではありません. 繰り返しになりますが,私のポイントは この本の一部や全体に賛成するかどうかの意見を 与えることではありません. 私は単にフレームワークを提供したいのです. 少なくとも,この本からは興味深い話題がでてきます. それは沢山の興味ある分析の素材と, 批判的な考え方と言えるようなものを提供してくれます. そしてそれこそ,私があなたに取ってもらいたいのです. そして,あなたが自分自身で判断する必要があります. ここで私は,少なくともある状況を示したいと思います. 資本からのリターンが 経済成長よりも大きく, 不平等が増大する原因の 代表となることができる状況を示したいと思います. 実は,もちろんこの関係に, 必然性があるかどうかは,ある意味難しいものです. しかし,この場合でも常にそうなるわけではありません. これについて考えるために, 全ての経済がりんごの生産だけという経済を 想像してみましょう. りんご(のみ)の経済です. さて,これを経済全体としてみましょう. これをコピーして, ペーストして,それで経済成長を見せたいと思います. これが私達の経済の全てです. ここにあるのが1年目の経済としましょう. 経済1年目. 1年目にこの経済では1000個のりんごが生産されたとしましょう. 1000 個のリンゴです. そして2年目には, 2年目 2年目には経済成長があったとするので まずはそれを描いてみましょう. 経済成長G が 1年目から2年目に行くと, 2% だったとしましょう. 1000 の 2% ですから 20個のりんごがさらに生産されたということです. 1020 個のりんごが生産されました. では,1年目には, 1000 個のりんごが生産されて,それをどう分けたかということですが 私は単にこれを半分に分けました. そのうちの500 個が資本のオーナーに行ったとしましょう. 500 個が資本のオーナーに行く. では資本のオーナーはどうなりますか? 彼らがどれだけ持つかですが... ここにあるのはとても単純な経済で, たった1つの産業しかありません. しかし資本のオーナーというのは りんご園の持ち主で, 木の持ち主だったり, 機械の持ち主だったり, 何かりんごを取るのに必要なものの持ち主です. そして残りの 500 個が労働者に行くとしましょう. 500 個が労働者に行く. そしてここにある資本の価値は, 資本の価値 資本の価値はりんご換算で... 私達はここで全てはりんごだと仮定したので りんご換算になります. すると,このりんご園を買うには, オーナーは,そうですね 4000 個のりんごを 支払わなくてはいけないとしましょう. 4000 個のりんご. そうすると,1年目の資本からのリターンは何でしょうか. 資本からのリターン 1年目の資本は... リターンは 500 個のりんごです. 500 個のリンゴ. そしてこれをコスト… いや,資本の価値と言ったほうが良いですね. 資本の価値で割ると, 4000 個のりんごで割ります. すると 5 割る 40 ですから, 5 割る 40 というのは, 8分の1です. 8分の1ですからそれは12.5%になります. 12.5% すると資本からのリターンは, 少なくとも1年目は,... いや,先に2年目を見てみましょう. 2年目の資本からのリターンを見てみます. そして,ここにある経済成長と比べてみましょう. すると,資本の価値ですけれども, ここにある全てが再び…投資されたとしましょう. 再投資されたとすると するとこの資本の価値というのは, ここで 4000 個にプラスさらに 500 個です. ですから 4500 個分のりんごになります. オーナー達はビジネスに再投資しました. もちろんオーナー達は資本に 全部再投資する必要はありませんが, これらの増えた 500 個のりんごを 何か機械や土地を買うことなどに利用したのだとしましょう. そしてこの年には労働者達の力が 少し強かったとしましょう. この年は,労働者の力が強かったので, 500個だけが資本の持ち主に行ったとします. もちろんこうなる必要はなく,たまたまこうだったとしましょう. もし資本の持ち主の方が影響力が大きければ, 交渉はこうならなかったでしょうね. この場合でもまだ,500個が労働… おっと,資本ですね 500個は資本へ行きます. そして520 個が労働者へと行きます. 520 個 するとここでは,資本からのリターンは,… 資本からのリターンは, まだ 500 個のりんごです. そして,これ割ることの,4500 です. 4500 個のりんごです. これは 9 分の 1 に等しいです 9 分の 1ですから0.99 とかですか,… いや,0.11とかですね. 1 割る 9 で0.1111… です. するとそれはだいたいそれは 11% です. あるいは,11.1% と言いましょうか. 約 11.1% です. さて,なぜ私がこれを見せたかったかです. どうして私がこの図を描いたかは, これは r が g よりも大きい状況です. 資本からのリターンは最初 12.5% で,そして 11.1%です. これらは両方とも経済成長よりもずっと大きい数です. しかし,そうであっても,不平等は増大していません. この状況は,もちろん 私がそうなるようにわざと数を選んだからです. 不平等が広がるように数を選ぶこともできました. しかしこれで,r が g よりも大きいだけでは, 不平等にはならないこともあることがわかります. 今後のビデオでは,私はスプレッドシートを使って, r が g よりも大きな定数のままで, 不平等が拡大する場合をお見せしましょう. しかし今回これをお見せしたのは, ある与えられた期間で, r が g よりも大きいからと言って, 不平等が拡大される必要はないということです. この場合には,労働者の方が総国民所得の多くを 得るようになりました. もう一度, 資本と労働と 収入の不平等の間の関係ですが, 一般的に,労働に行く収入というものは, 収入の少ない人々へと行くことが多いです. そして,資本に行く収入は 上位のたとえば 10% 部分に行く ということが多いものです. なぜなら,資本は収入の上位の,少ない人数の人達へと 集中する傾向があるからです.