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物理学入門

ここでは物理学とはいったい何かについての紹介をします。これについては今後のビデオでもより深く掘り下げていきます。物理学がどのように数学や他の科学と関係しているか,そして,物理学が私たちの身の回りとどう関係しているかについて大まかに見ていきましょう。 

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ビデオのトランスクリプト

私が想像するに, 古代の人達や もしかしたらまだ人以前と 思われているような存在でも, 自分達にこんな質問を したかと思います: 「どうして私はここにいるのだろう? この世界はどうなっているのだろう? どうして宇宙はこんなふうに なっているのだろう?」か,と。 そして物理学というものは, このような質問に 答えようとするものです。 物理学の分野です。 それはたぶん数学の すぐ次の純粋な 学問として見ることができます。 まずは数学があります。 それはたいへん純粋なものです。 そして,この数学の基礎のもとに, 物理学があります。 物理学は,宇宙の現象, 全ての現象を説明するために, ある核となる考えにそって, 数学を利用します。 たぶん,物理学者は, 私たちがこの世界 (のうちの), 自然のほんのちょっとしか, まだ理解していないと認めることでしょう。 さて,多くの場合,私たちは, 物理学というものが この宇宙で起こる現象とか, ロケットを宇宙に打ちあげる方法とか, 波がどのように動くか, 建物の構造とか, そういうことしか考えないと思っています。 しかし物理学は全ての他の科学, サイエンス (科学) の基礎です。 たとえば,化学,化学 (ばけがく) は, それは最終的には, 原子間の相互作用を考える分野です。 原子の相互作用は,実は 物理学を基礎とした相互作用です。 ですから化学は,実は 物理学を基礎にしてできています。 そして,私たちが自分自身について考える時, たとえば,私たちの身体, 意識もそうです。頭脳など, それは実は細かくみていくと 化学と物理学を基礎としています。 一番底では原子間の 相互作用になります。 私たちの身体の機械的な 性質でさえそうです。 そして,生物学でさえ, つまり私たちが何かということも, 化学を基礎としています。 すると,生物学も, 物理学を基礎に作られているわけです。 あなたはこれまでずっと 数学を学んできたでしょうし, 今後も学び続けることでしょうけれども, 物理学は数学に基づいているものです。 そしてもしかしたらあなたは 「どうして私は数学なんか学ぶのだろう?」 と考えたことがあるかもしれません。 もちろん 1 つの理由は, 数学そのものが美しいと いうこともありますけれども, 数学というものは宇宙の構造について語る, 一番純粋な方法だと 考えてもいいですね。(そのために学ぶ) そして,物理学に入っていけばいくほど, そういうふうに思うようになるでしょう。 私たちのまわりにある, この世界の複雑な現象の全ては, 銀河や,海の波, または,生物学的なシステムを見た時でさえ, 驚くほど多くのことが, 数学を使ってとてもエレガントに 表現されることを知るでしょう。 たとえば,力は質量かける 加速度というような, 単純でエレガントな数学です。 そして力と加速度については, 数学の言葉の「ベクトル量」 として話すことができます。 変位のようなことについても 考えることができます。 私はそれをベクトル量と考えます。 すぐに私たちはベクトル量と スカラ量とは何かについて学んでいきます。 変位は速度かける時間で, 加速度は速度の時間変化に等しい というようなことについても学びます。 このようなたいへん単純なことを 今後のビデオで,さらに 深く探求していきます。 そしてあなたは複雑な現象の全てを 説明できるようになるでしょう。 そして,私が物理学で 好きなことが 1 つあります。 その良さは理解されないこともあるのですが, 物理学を勉強しはじめると, 複雑な式とか, 複雑な問題がでてきます。 しかし,ここでわかって欲しい 重要なことなのですが, これらは皆,ある基礎的な考えから できているということです。 ここで考えたこともそうですが, 基礎的な考えには, エネルギーの考えや, ニュートンの法則があります。 私たちはどんな種類の力があって なぜそういうものが実際に あるのかを説明しようとします。 つまり物理学の本質は, 「シンプルな考え」です。 それに基づいて, 複雑なことを予測します。 単純な考えに基づいて 宇宙の複雑さを 説明しようとするものです。 それが物理学とは何かです。 さて,物理学は人類によって たいへんたいへん 長い間研究されてきました。 実は,私たちは誰が最初の 物理学者なのかを知りません。 しかし多分,物理学の土台を 作った思考の人としては, ここにいる人達をあげる ことができるでしょう。 ある意味,物理学で, これらの人達が最も傑出した 思想家と言えます。 しかし,これで全員と いうわけではありません。 まず第一に,アイザック・ニュートンを 含めたいと思います。 特にあなたが物理学を 学びはじめる時には, あなたはニュートンが理解したように, 世界を理解しはじめることになります。 彼は,「物が地面に落ちるのは, 物の性質がそうだとか, 宇宙が単にそうなっているとは 考えませんでした。 物にはある作用する力があって, 私が今,椅子の上に座っているのも, 地球が太陽の回りを回っているのも, 月が地球の回りを回っている理由も, 全て同じ力による。」と理解しました。 彼は重力の法則や, ニュートンの力学を明らかにしました。 また,これから見ていきますけれども, 古典的な機械工学や, ニュートンの物理学でも 様々な現象を, 驚くほどの正確さで, 説明することができます。 ところが,20 世紀の始めになると, 物理学はずっと不思議な ものになっていきます。 私たちはとても小さなスケールの ものを見るようになり, マックス・プランクが量子力学を与えました。 そして,アルバート・アインシュタインがいます。 私たちがとても速いスピード, 「光の速度」を考えるようになり, それが絶対的なものだと気づきました。 光の速度よりも速く移動 できるものはありません。 それを記述した 特殊相対論と一般相対論の概念は まさに度肝を抜くようなことでした。 そして私たちは宇宙というものが 思っていたものよりも, ある意味とても奇妙で, そしてずっと不思議で, 魅惑的なものだと 気がつきはじめるのです。 しかし,たとえマックス・プランクや, アルバート・アインシュタインの 現代物理学であっても, 彼らの研究の全ては, アイザック・ニュートンや, それ以前の人たちによる 多くの基礎的な考えに基いています。 実は私は子どもの頃は 物理学者になりたかったのです。 なぜなら,つまるところ,皆が 不思議に思うことが物理学だからです。 たとえば,どうして 私たちはここにいるのか? 世界はどうなっているのだろう? どうしてものごとがそうなっているのだろう? そして,これらの疑問は, 物理学が答えようとするものです。 あなたが物理学を学ぶときのために, これらの 3 人の物理学者からの 引用をいくつかしておきたいと思います。 最初の 2 つは,アイザック・ニュートンからです。 「真実は『単純さ』の中にあり, 複雑に積み重なったものや,混乱の中にではない。」 これは本当によく考えてほしいです。 あなたが物理を学んでいると, ある時,式や言葉の暗記ばかりしているなと 思うことがあるかもしれません。 しかし,もしあなたがそうしているとしたら, あなたは表面しか見て いないことが多いのです。 もしあなたが本当に物理を考えはじめたら, よりシンプルで,直感的な 考えにたどりつくはずです。 そしてそれがより真実に近いはずです。 さて,私はアイザック・ニュートンの この 2 番目の引用が大好きです。 「私はどんなふうに世界から 思われているのか知らないが, 私自身を省みると,私はまるで, 海岸で遊んでいる子どものようなものだ。 時折,すべすべした小石や, 普通よりもちょっときれいな貝がらを 見つけては喜んではしゃいでいる。 その間,私の目の前には, 真実という大海が 未発見の全てを隠したまま存在している。」 私はこれを考えるのが好きです。 私たちは,とても多くのことを 知っていると考えていますが, 実は私たちは宇宙がどんなものなのか, ほんのわずかしか知りません。 ニュートンのような偉大な思想家でさえ, 自分の発見について, 「ちょっと海岸で, 運よく小石を拾ったようなものだ。 私はまだ,この真実という巨大な海を 理解していない。」と言っています。 私たちよりも何百万年も 科学技術の進んだ文明は, 世界をどのように理解するのでしょうか? 彼らは,私たちを蟻のように思うかもしれません。 私たちは,世界の仕組みについて ほんの表面しか知らないからです。 こちらはマックス・プランクです。 「あなたがものを見る見方を変えると, あなたが見ているものが変化する。」 私はこれをたいへん 深い言葉だと思います。 物理学を勉強していくと, あなたは本当に世界を「見る」 ことを始めるでしょう。 私たちの現在の理解のほとんどは, 「力」に基いています。 しかし,「力」とは何でしょうか? 私たちが固い物だと思っているものも, 原子のレベルでは,ほとんど空虚な 空間しかないとわかります。 そこには物ではなくて, 相互作用の力だけがあって, それを私たちは固いものが あると考えているだけです。 あなたは,固い物が,実は 隙間だらけのものだとわかるでしょう。 物理学を学んだら,この世界全体が, 単に私たちが頭でそう思っている モデルでしかないことに気がつくでしょう。 ある意味,それは私たちの 心が作った幻想です。 実は他にもこの人たちや他の人たちから 素晴らしい引用がたくさんありますが, 最後にアルバート・アインシュタインから, 「私たちができる最も美しい経験は 『不思議に思う』ということです。 それは真の芸術と真の科学の生まれる 時の基本の感情です。」 私はあなたが物理学を学ぶ時に, これを心の底から考えて欲しいです。 私たちは,時々理解のための 道具も作っていきます。 ベクトルとは何か? スカラとは何か? と 数学を使います。 しかしこれらは単なる道具です。 これをてがかりに,私たちは基本的な 現象を理解しようとするのです。 宇宙はどのような仕組みなのか? と考えはじめた時, 宇宙の不思議を感じて, 背筋が寒くなったり, 何度も鳥肌が立つことでしょう。 もしそれがない学びかたをしていたら 私たちは物理を本当には 学んでいないと言えるでしょう。