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キネマティック (運動の) 式とは何ですか?

これらが一定加速度の状況を解析するために使うことができる主な等式です。

キネマティックの式 (運動の式)とは何ですか?

キネマティックの式とは以下の 5 つのキネマティック変数に関係した式の集合です。
Δx変位
t時刻の間隔 
v0  初速度 
v   最終速度 
a   一定の加速度 
加速度が一定の条件の下で,もしこれら 5 つのキネマティック変数,Δx,t,v0,v,a,のうちの 3 つについてわかっている場合,以下に示すように未知変数の一つについて解くためにキネマティックの式を使うことができます。
キネマティックの式はしばしば次の 4 つの方程式で表されます。
1.v=v0+at
2.Δx=(v+v02)t
3.Δx=v0t+12at2
4.v2=v02+2aΔx
キネマティックの式は考えている時刻の間隔の間は加速度が一定である時のみ正確ですから,加速度が変化する時にはこれらの式を使わないように注意しなくてはいけません。また,キネマティックの式では全ての変数は同じ方向を参照していることを仮定しています: 水平方向 x,垂直方向 y,などです。

自由飛行物体 — 例えば投射物 — とは何ですか?

キネマティックの式は,ある時刻の間隔の間に一定の加速度であった時にだけ使うことができるということから,これらの式が応用できるのは限られた場合だけになってしまうのではないかという心配をするかもしれません。しかしながら,身の回りの運動として最もよく見られるものの一つ,自由落下は一定の加速度のもとで起こるものです。
地球上での全ての自由飛行物体 — これはまた投射物とも呼ばれますが — は,それらの質量には関係なく,重力による一定の下向きの加速度を持ちます。その大きさは g=9.81ms2 です。
g=9.81ms2(重力によって生じる加速度の大きさ)
自由飛行物体とは,任意の物体が重力の影響のみをうけて加速しているものとして定義されています。私たちは通常空気抵抗の影響は十分に小さくて無視できるものと考えます。つまりどんな物体でも落下し,投射され,または空中を自由に飛行するものは通常 g=9.81ms2 の大きさの一定の下方の加速度を持つ自由飛行物体と仮定されます。
これについて考えてみると,それは奇妙でまたラッキーなことでもあります。奇妙だという意味は,巨大な岩の下の方向への加速度が小さな小石と同じ加速度であることです。ですからそれらをもし同じ高さから落とした場合,それらは地面に同時に当たります。
ラッキーだというのは,キネマティックの式を解く場合には投射物の質量を知る必要がないという部分です。なぜならどんな自由飛行物体も同じ大きさの加速度 g=9.81ms2 を持つからです。これは空気抵抗が無視できる限りは質量に関係ありません。
g=9.81ms2 は重力による加速度の大きさでしかないことに注意してください。キネマティックの式を使う時,もし,正の方向を上の方向に選んだ場合は,重力による投射物の加速度を負 ay=9.81ms2 にする必要があります。
警告: キネマティックの式を使うときにマイナスの符号を忘れてしまうのはとてもよくある間違いの 1 つです。

キネマティックの式はどのようにして選び,使うのですか?

私たちは求めたい未知数 1 つと既にわかっている 3 つの変数の両方を含むキネマティックの式を選びます。こうすると,求めたい未知の変数だけがこの式の中で未知の変数になるので,この未知の変数について解くことができます。
たとえば,地面の上に本が 1 冊置かれていて,この本が初速度 v0=5 m/s で動き始めたとわかっているとします。それが時刻の間隔 t=3 s の後,Δx=8 m の変位を滑ったとします。この時にはキネマティックの式,Δx=v0t+12at2 をこの本の未知の加速度 a について代数的に解くために使うことができます。 (ここでは加速度は一定であると仮定しています。) なぜなら,この式では,a 以外の変数,Δx,v0,t,はすべてわかっているので,加速度について解くことができるからです。
問題解決のヒント: それぞれのキネマティックの式は 5 つのキネマティック変数,Δx,t,v0,v,a,のうちのどれか 1 つが欠けています。
1.v=v0+at(この式には Δx がありません。)
2.Δx=(v+v02)t(この式には a がありません。)
3.Δx=v0t+12at2(この式には v がありません。)
4.v2=v02+2aΔx(この式には t がありません。)
問題を解くために適したキネマティックの式を選ぶために, どの変数が与えられていなくて,かつ,その変数は求めるようには言われていないか を求める必要があります。たとえば,上記で与えられた問題では,この本の最終速度 v が与えられていませんし,尋ねられてもいません。ですから v が全く含まれていない式を選ぶべきです。キネマティックの式 Δx=v0t+12at2 には v がありません。ですからこの場合,この式が加速度 a について解くための正しい選択になります。

第 1 のキネマティックの式 v=v0+at はどうやって導けばいいのですか?

このキネマティックの式はおそらく一番簡単に導くことができるものでしょう。なぜなら,これは加速度の定義をすこし並び替えただけのものだからです。まずは加速度の定義から始めましょう。
ここで Δv を速度の変化の定義 vv0 で置き換えます。
a=vv0Δt
最後に,v について解くと次の式を得ます。
v=v0+aΔt
そしてもし tΔt と考えて使うことに同意できたならば,この式が第 1 のキネマティックの式になります。
v=v0+at

第 2 のキネマティックの式 Δx=(v+v02)t はどうやって導くのですか?

このキネマティックの式を目に見えるように導くすてきな方法は,一定の加速度を持つある物体の速度のグラフ — いいかえれば,一定の傾きを持つ速度のグラフ — を考えることです。これは下のグラフのように,初速度 v0 で始まります。
どんなグラフでも速度のグラフならば,そのグラフの下の面積は変位 Δx を与えます。ですから,この速度のグラフの線の下の面積はこの物体の変位 Δx になります。
Δx= 総面積
ここで上のグラフにあるように,この面積は青い長方形と赤い 3 角形に分解することができます。こう分解すると面積が求めやすくなるでしょう。
この青い長方形の高さは v0 で,その幅は t です。すると青い長方形の面積は v0t です。
赤い三角形の底辺の長さは t で,高さは vv0 です。すると赤い 3 角形の面積は 12t(vv0) です。
この全部の面積は青い長方形の面積に赤い 3 角形の面積をたしたものになります。
Δx=v0t+12t(vv0)
ここで 12t を分配すると,次のようになります。
Δx=v0t+12vt12v0t
ここで v0 の項をまとめて簡単化することができて,すると次のようになります。
Δx=12vt+12v0t
そして最後に右辺を書き直すと第 2 のキネマティックの式になります。
Δx=(v+v02)t
この式は興味深い式です。たとえば,もしこの式の両辺を t で割れば,Δxt=(v+v02) が得られます。この式は平均の速度 Δxt は,最終速度と初速度の平均 v+v02 に等しいことを示しています。しかしながら,これは加速度が一定と仮定した時にしか真ではありません。なぜなら,私たちはこの式を一定の傾き/加速度の速度グラフから導いたからです。

第 3 のキネマティックの式 Δx=v0t+12at2 はどうやって導くのですか

この方程式 Δx=v0t+12at2 を導く方法はいくつかあります。クールな幾何学的方法と,あまりエキサイティングはない代入していろいろする方法です。まずはクールな幾何学的方法からやってみましょう。
速度 v0 で動き始めたある物体を考えましょう。そしてその物体は,下のグラフに見られるように,最終速度 v まで一定の加速度で加速したとしましょう。
速度のグラフの下の面積は変位 Δx を与えますから,Δx=v0t+12at2 の式の右辺のそれぞれの項が上記のグラフの面積を表します。
v0t は青い長方形の面積を表しています。なぜならA=hw だからです。
12at2 は赤の 3 角形の面積を表しています。なぜなら A3=12bh だからです。
これだけです。式 Δx=v0t+12at2 がでてきました。なぜなら。変位は曲線の下の総面積で与えられなくてはならないからです。ここでは速度の式が斜めの直線であることを仮定しました。そうすると 3 角形の面積の式を使うことができます。するとこのキネマティックの式 — それは残りの他のキネマティックの式と同じように — 加速度が一定という仮定のもとで正しいものになります。

こちらは代入していろいろやってみるもう一つの方法です。第 3 のキネマティックの式は第 1 のキネマティックの式 v=v0+at に第 2 のキネマティックの式 Δxt=v+v02 を代入することで導くことができます。
第 2 のキネマティックの式から始めるとしましょう。
Δxt=v+v02
そして,v=v0+atv に代入します。すると次の式になります。
Δxt=(v0+at)+v02
右辺を展開すると次の式になります。
Δxt=v02+at2+v02
右辺の v02 の項をまとめると次の式になります。
Δxt=v0+at2
最後に両辺に t をかけると第 3 のキネマティックの式になります。
Δx=v0t+12at2
もう一度注意しておきますが,私たちは他のキネマティックの式を使いました。それは加速度が一定であるということを前提にしています。するとこの第 3 のキネマティックの式もまた加速度が一定であるという仮定のもとだけで真になります。

第 4 のキネマティックの式 v2=v02+2aΔx はどうやって導くのですか?

第 4 のキネマティックの式を導くためには,第 2 のキネマティックの式から始めます:
Δx=(v+v02)t
この式から時間 t を消去したいのです。そのためには,第 1 のキネマティックの式 v=v0+at を時間について解き,t=vv0a を得ます。そしてこの式の時間 t を第 2 のキネマティックの式に代入すれば次の式になります。
Δx=(v+v02)(vv0a)
右辺の分数のかけ算をすると次の式になります。
Δx=(v2v022a)
そしてこれを v2 について解くと,第 4 のキネマティックの式が得られます。
v2=v02+2aΔx

キネマティックの式で難しい部分は何ですか?

多くの人はキネマティックの式はある時刻の間隔の間に加速度が一定であるという仮定の時だけ真であるということをしばしば忘れがちです。
時々,既知の変数が明示的に与えられず,むしろ問題中で暗黙的に符号のような句として与えられる場合があります。たとえば,「静止状態から始める」は v0=0 を意味し,「落とす」はしばしば v0=0 を意味します。そして,「停止状態になる」は v=0 という意味です。また,すべての自由運動物体の重力による加速度の大きさは,g=9.81ms2 と仮定されます。すると,この加速度は問題中で明示的に与えられず,しかし自由飛行物体の場合に暗黙のうちに使われます。
また,多くの人々は t を除くすべてのキネマティック変数, Δx,vo,v,a,は負になることができることを忘れがちです。マイナスの符号を忘れるというのはとてもよくある間違いの元です。もし上の方向を正と仮定したならば,自由飛行物体の重力による加速度は負でなくてはいけません: ag=9.81ms2
第 3 のキネマティックの式,Δx=v0t+12at2,は二次関数を使う必要があるかもしれません。以下の例題 3 の解き方を見てください。
一定加速度の間のどんな時刻の間隔でも選ぶことができるとはいえ,あなたが代入するキネマティックの式のキネマティック変数 はその時刻の間隔で一貫していなくてはいけない ということを多くの人は忘れがちです。いいかえれば,初速度 v0 は初期位置での物体の速度であり,時刻の間隔 t の始めでなくてはいけません。同様に,最終速度 v は最終位置の速度であり,考えている時刻の間隔の終わりでなくてはいけません。

キネマティックの式を含んだ練習問題の解き方を教えてください。

例題 1: 第 1 のキネマティックの式 v=v0+at

クールエイドの入った水風船がとても高いビルの上から落とされました。
落下し始めてから t=2.35 s 後のこの水風船の速度は何ですか?
上方向が正の方向だとします。私たちの未知変数は次のようになります。
v0=0 (この水風船は落とされたので,最初は静止状態でした。)
t=2.35 s (これは私たちが速度を見つけるための時刻の間隔です。)
ag=9.81ms2(この水風船は自由飛行物体ですので,この値は暗黙に仮定されています。)
この状況では運動は垂直方向の運動になります。ですから,ここでは位置の変数として x の代わりに y を使います。ここで使う変数の記号は一貫している限り何でもかまわないのですが,しかし,垂直方向の運動では普通は y を使うことが多いです。
ここでは変位 Δy はわからず,また変位 Δy を求めるようにも言われていません。ですから,Δy の入っていない 第 1 のキネマティックの式 v=v0+at を使いましょう。
v=v0+at(Δy の入っていない第 1 のキネマティックの式を使う。)
v=0 m/s+(9.81ms2)(2.35 s)(既知の値を代入する。)
v=23.1 m/s(計算してお祝いしましょう!)
注意: 最終速度は負です。なぜならこの水風船は下の方向に向かっているからです。

例 2: 第 2 のキネマティックの式 Δx=(v+v02)t

1 匹のヒョウが 6.20 m/s で走っています。そしてこのヒョウがアイスクリームトラックの蜃気楼を見たあと,3.3 s で 23.1 m/s に速さを上げました。
6.20 m/s から 23.1 m/s になるまでに,このヒョウが移動したのはどれだけですか?
ここでの移動の初期方向を正の方向と仮定しましょう。私たちの知っている変数は次の通りです。
v0=6.20 m/s (このヒョウの初速度)
v=23.1 m/s (このヒョウの最終速度)
t=3.30 s (このヒョウが速さを変えるのに使った時間)
ここでは加速度 a はわかりません。また,加速度を求めるようにも言われていません。ですから,水平方向についての第 2 のキネマティックの式 Δx=(v+v02)t を使います。この式には a が入っていません。
Δx=(v+v02)t(a のはいっていない第 2 のキネマティックの式を使う。)
Δx=(23.1 m/s+6.20 m/s2)(3.30 s)(既知の数を代入する。)
Δx=48.3 m(計算してお祝いしましょう!)

例 3: 第 3 のキネマティックの式 Δx=v0t+12at2

ある生徒がキネマティックの式の宿題にうんざりしました。そして彼女は鉛筆を 18.3 m/s でまっすぐ上の方向に投げました。
この鉛筆が投げ上げられた場所から 12.2 m 高い場所に最初につくまでにどれだけの時間がかかりますか?
上方向が正の方向だとします。私たちの未知変数は次のようになります。
v0=18.3 m/s (この鉛筆の上への初速度)
Δy=12.2 m (この鉛筆のこの変位になるまでの時間が知りたいです。)
a=9.81 m s2 (この鉛筆は自由飛行物体です。)
私たちは最終速度 v を知りませんし,また,尋ねられてもいません。そこで第 3 のキネマティックの式を垂直方向に適用します Δy=v0yt+12ayt2。この式には v がありません。
Δy=v0yt+12ayt2(第 3 のキネマティックの式から始めます。)
普通は,私たちの知りたい変数についてキネマティックの式を代数的に解くことをします。しかし,このキネマティックの式はどの項も 0 ではないので時間について簡単に解くことはできません。どの項も 0 でなく,t が未知数であるときには,この方程式は 2 次方程式になります。これは既知の値を代入するとわかります。
12.2 m=(18.3 m/s)t+12(9.81 m s2)t2(既知の数を代入する。)
この 2 次方程式をもう少し解きやすくするためには,全ての項をこの方程式の片側に移動します。12.2 m を両辺からひくことで次のようになります。
0=12(9.81 m s2)t2+(18.3 m/s)t12.2 m(2 次方程式の標準形にする。)
こうして,時間 t についてこの 2 次方程式を解きます。at2+bt+c=0 の形式の 2 次方程式の解は t=b±b24ac2a になります。このキネマティックの式では a=12(9.81 m s2), b=18.3 m/s, c=12.2 m です。
この 2 次方程式の解の公式に代入すると次のようになります。
t=18.3 m/s±(18.3 m/s)24[12(9.81 m s2)(12.2 m)]2[12(9.81 m s2)]
2 次方程式の解にはプラスとマイナスの符号がありますので,時間 t について 2 つの解があります: 1 つは + を使ったもので,もう 1 つは を使ったものです。上記の 2 次方程式を解くと次の 2 つの時間が得られます:
t=0.869 st=2.86 s
ここには 2 つの正の解があります。なぜなら,この鉛筆は 2 回 12.2 m の高さにあるからです。小さな方の時間は投げ上げた時のものです。つまり,鉛筆が上に移動して最初に 12.2 m の高さになったときの時間を示しています。大きな方の時間は落ちてくるときのものです。つまり,この鉛筆がまず上の方向に移動して 12.2 m の地点を通過し,それから最大高さに到達し,それから下の方向に落ちてきて 12.2 m の高さを通過したときの時間を示します。
するとこの問題,「この鉛筆が投げ上げられた場所から 12.2 m 高い場所に最初につくまでにどれだけの時間がかかりますか?」,の答えを求めるためには,小さな方の時間 t=0.869 s を選ぶことになります。

例 4: 第 4 のキネマティックの式 v2=v02+2aΔx

あるヨーロッパのモーターサイクリストは 23.4 m/s の速さで走り始め,前方の交通渋滞をみてから 50.2 m の距離を一定の加速度の大きさ 3.20 m s2 で減速することにしました。モーターサイクルはこの間ずっと前方に移動していたと仮定します。
50.2 m を減速した後のこのモーターサイクリストの新しい速度は何になりますか?
ここでの移動の初期方向を正の方向と仮定しましょう。私たちの知っている変数は次の通りです。
v0=23.4 m/s (このモーターサイクルの初速度)
a=3.20 m s2 (加速度は負です。なぜなら,モーターサイクルは速さを減らしていて,かつ前方の方向を正と仮定したからです。)
Δx=50.2 m (私たちが知りたいのはこの変位を移動した後のこのモーターサイクルの速度です。)
ここでは t は分かりませんし,問題で求めるようにも尋ねられていません。ですから私たちは水平方向についての第 4 のキネマティックの式, vx2=v0x2+2axΔx を使います。これには t がありません。
vx2=v0x2+2axΔx(第 4 のキネマティックの式から始めます。)
vx=±v0x2+2axΔx(最終速度について代数的に解く。)
ここで平方根を取っていることに注意して下さい。そうすると正と負の 2 つの解が得られます。ここでのモーターサイクリストはまだ初速度と同じ方向に進んでいると仮定しています。そして,その方法が正の方向です。ですから正の解, vx=+v0x2+2axΔx を選びます。
ではここに値を代入します。そうすると次のようになります。
vx=(23.4 m/s)2+2(3.20 m s2)(50.2 m)(既知の数を代入する。)
vx=15.0 m/s(計算してお祝いしましょう!)

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