If you're seeing this message, it means we're having trouble loading external resources on our website.

もしあなたがウェブフィルターを利用している場合には,*.kastatic.org*.kasandbox.org がブロックされていないことを確認して下さい。

メインのコンテンツ

2 次元の投射物の運動とは何ですか?

空中を運動する物体について学びましょう。

2 次元の投射物とは何ですか?

糖分の取りすぎで怒りっぽくなってしまったあなたは,岩をある角度で空中に投げて怒りを静めることにしました。それは以下の図の点線の曲線で示されたような軌跡を描いて空中を移動します。この場合,この岩は 2 次元の投射物と考えられます。なぜならこれは空中を垂直方向と水平方向の両方に飛んでいくからです。そしてそれは重力の影響だけを受けています。
重力は下の方向へと引っ張る力ですから,重力は岩の垂直方向の速度の要素 vy にだけしか影響しません。速度の水平方向の要素 vx は影響されず,その経路にそって動いている間は一定のままです。
垂直方向の速度 vy が変化し,水平方向の速度 vx が一定のままであることを見るために,下の図で点をスライドさせてみてください。
コンセプトのチェック: 岩の軌道の最高点では垂直方向の速度の値は何でしょうか?

2 次元の投射物の運動は数学的にはどのように扱うのですか?

2 次元の投射物の運動を扱う一番簡単な方法の一つは,運動をそれぞれの方向について別々に考えることです。言いかえれば,私たちはこの岩の水平方向の動きを記述する 1 組の方程式と,この岩の垂直方向の動きを記述する垂直方向のもう 1 組みの方程式を使います。こうすると,1つの難しい 2 次元の運動の問題を 2つの より簡単な 1 次元の運動の問題に変換することができます。このようにすることができるのは,この岩の垂直方向の速度はこの岩の水平方向の速度に影響しないからです。同じように,この岩を投げたときに大きな水平方向の速度を与えてもそれはこの岩の垂直方向の速度に影響しません。つまり,もし 1 つの弾丸を水平方向に銃で打ち出すと同時に,もう 1 つの弾丸を同じ高さから単純に手で落とした場合,この 2 つは同時に地面に落ちます。

水平方向:

水平方向には加速度はありません。なぜなら重力は投射物を横に引っ張ることがないからです。それは下方にだけ働きます。空気抵抗は水平方向の加速度の原因になることはあるでしょう。それは水平方向の動きを遅くします。しかし,私たちはここでは空気抵抗は無視できるものだと考えていますので,投射物の水平方向の速度は一定であると仮定することができます。
すると,水平方向については,次の等式を使うことができます。
Δx=vxt
注意: この水平方向の等式には水平方向の変数だけを代入することを確認して下さい。この等式の変数のうちの 2 つを知っていれば,残りの未知変数について解くことができます。

垂直方向:

2 次元の投射物は重力による一定の下方への加速度 ay=9.8ms2 を持ちます。垂直方向の加速度は一定ですから,以下に示される 4 つの キネマティックの式 の 1 つを垂直方向の変数について解くことができます。
1.vy=v0y+ayt
2.Δy=(vy+v0y2)t
3.Δy=v0yt+12ayt2
4.vy2=v0y2+2ayΔy
この垂直方向の等式には垂直方向の変数だけを代入することを確認して下さい。これらの等式の変数のうちの 3 つを知っていれば,残りの未知変数について解くことができます。
注意: 与えられた運動においては,時刻の間隔 t (以下時間と書きます) は垂直方向の式と水平方向の式で同じ値になります。これはつまり,もし時間 t について解くことができれば,その時間 t を垂直方向または水平方向のいずれかの式に代入することができるという意味です。この戦略は多くの問題で使われます。よくある方法は,垂直方向の等式で時間 t について解いて,それを水平方向の等式に代入するものです (あるいはその逆を行います)。

2 次元の投射物で難しいことは何ですか?

よくある間違いは,垂直方向の成分を水平方向の等式に代入したり,その逆をしてしまうことです。投射物のそれぞれの方向 (水平方向と垂直方向) が独立して働くのは,あなたが異なる方向 (x または y) をそれぞれの等式で別々に扱っている場合だけです。
初速度が斜め方向にある場合,垂直方向の成分と水平方向の成分に分解する必要があります。垂直方向の成分と水平方向の成分に分解する方法がわからないという人もいると思います。1 つの方法としては,3 角法を使うことができます。もし 3 角法を使ってベクトルを成分に分解したい時には この記事 が手助けになるでしょう。
投射物が水平方向に発射された場合には,垂直方向の初速度は 0,つまり v0y=0,です。(以下の例題 1 を参照してください。) 多くの初学者はある物体が水平方向だけの初速度を持ち,その時には垂直方向の速度成分が 0 であるということを理解するのに苦労しています。

2 次元の投射物の運動の例題を解くというのはどんな感じになりますか?

例題 1: 水平方向に発射された水風船

1 個の水風船が初速度 v0=8.31ms で,H=23.0 m の高さの建物の屋根から水平方向に発射されました。
この水風船は地面に当たるまで水平方向にどれだけ移動しますか?
与えられた変数を含んだ図を書くことからはじめましょう。
飛行時間 t がわかれば,Δx=vxt を使って水平方向の変位を計算することができます。時間について解くために,垂直方向については 3 つの変数を知っているということを思い出しましょう (Δy=23.0 m, v0y=0, a=9.8ms2)。
ですから私たちは時間 t について解くために垂直方向のキネマティックの式を使います。最終速度 vy はわかりませんが,最終速度 vy を求めるようにも尋ねられていません。ですから,最終速度を含んでいない垂直方向のキネマティックの式を使いましょう。
Δy=v0yt+12ayt2(最終速度を含まない垂直方向のキネマティックの式)
H=(0)t+12(g)t2(既知の垂直方向の変数を代入)
t=2Hg(時間 t についてシンボリックに解く)
t=2(23.0 m)9.8ms2=2.17 s(数値を代入して飛行時間を求める)
さてここで水平方向の変位 Δx を求めるためには,この時間 t を水平方向の等式に代入する必要があります。
Δx=vxt(水平方向の変位のための等式を使う)
Δx=(8.31ms)(2.17 s)(飛行時間と vx)
Δx=18.0 m(計算してお祝いしましょう!)
すると水風船は建物の端から水平方向に 18.0 m 離れたところで地面に当たります。

例題 2: 角度を持って投射されたカボチャ

下図のように,カボチャを 1 個,空気砲を使って高さ H=18.0 m の崖の端から初速 v0=11.4msθ=52.1 の角度で打ち出します。
地面に当たる直前のこのカボチャの速さは何ですか?
もし,このカボチャの最終速度の成分 (vxvy) を求めることができたら,このカボチャの最終の速さを求めることができます。
これを求める前に,まずは初速度の成分 (v0xv0y) を sin と cos の定義を使って求める必要があります。
cosθ=隣接辺斜辺=v0xv0(cos の定義を使う)
v0x=v0cosθ(v0x について解く)
v0x=(11.4ms)cos(52.1)(数値を代入する)
v0x=7.00ms(計算して v0x を求める)
(注意: もしここでやっていることが魔法のようで理解できないようでしたら,この記事 をチェックしてみてください。ベクトルを成分に分解する助けになるはずです。)
私たちが求めた初速度の水平方向成分の値 v0x=7.00ms は最終速度の水平方向の成分 vx=7.00ms でもあります。なぜなら,速度の水平方向成分は物体の飛行の間には一定のままだからです (空気抵抗はないものと仮定しています)。
初速度の垂直方向成分を求めるためには,上記と同じ手順を使いますが, cos の代わりに sin を使います。
sinθ=反対辺斜辺=v0yv0(sin の定義を使う)
v0y=v0sinθ(v0y について解く)
v0y=(11.4ms)sin(52.1)(数値を代入する)
v0y=9.00ms(計算して v0y を求める)
投射物は空中を移動するにつれ,垂直方向の速度成分 vy が変化しますので,垂直方向についてのキネマティックの式を使い,最終速度の垂直方向成分 vy について解く必要があります。私たちは飛行時間 t を知りませんし,また,時間 t を求めるようにも言われていません。ですから,時間 t を含まない垂直方向についてのキネマティックの式を使います。
vy2=v0y2+2ayΔy(時間を含まないキネマティックの式を使う)
vy2=(9.00ms)2+2(9.8ms2)(18 m)(既知の値を代入する)
vy2=434m2s2(計算する)
vy=±434m2s2=±20.8ms(平方根をとる)
vy=20.8ms(カボチャは下方に移動しているので,平方根の負の値のほうをとる。)
これで最終速度の水平方向の成分と垂直方向の成分がわかりました。ですから,ピタゴラスの定理を使って最終の速さ (すなわち,最終速度の大きさ) を求めることができます。
v2=vx2+vy2(ピタゴラスの定理を使う)
v2=(7.00ms)2+(20.8ms)2(最終速度の垂直方向成分と水平方向成分を代入する)
v2=482m2s2(計算する)
v=21.9ms(平方根をとる)
この速さ v=21.9ms はこのカボチャが地面に衝突する直前の最終速度の大きさです。最終速度とその成分の間の関係は以下の図に示されています。
また,tan の定義を最終速度に使うことで,角度 ϕ について解くこともできます。
tanϕ=反対辺隣接辺=vyvx
tanϕ=20.8ms7.00ms
両辺の tan の逆関数をとることで,次が得られます。
tan1(tanϕ)=tan1(20.8ms7.00ms)
左辺は ϕ になります。そして,右辺の値は計算器に代入して求めることができます。
ϕ=71.4

会話に参加したいでしょうか?

まだ投稿がありません。
英語は理解できますか? ここをクリックしてカーンアカデミーの英語のサイトでのさらなる議論を見て下さい。